妊婦健診
赤ちゃんの発育状態やお母さんの健康状態を把握するためにとても大切な健診です。
妊婦検診は、妊娠中のお母さんは必ず受けましょう。この健診は妊娠・出産・育児に関する悩みや不安を医師や看護師に相談できる場でもあります。妊娠周期に合わせた健診や検査を行い、赤ちゃんの発育状態や母体の経過が順調か、リスクや異常が生じていないかなど、丁寧に診察していきます。この機会を利用して悩みや不安を解消し、安心して妊娠期間を過ごしましょう。
基本検査
毎回の健診で共通して行われる「基本検査」というものがあります。内容としては、赤ちゃんの発育状況やお母さんの健康状態の把握、そして食事や生活の指導があります。
- 母子の健康状態を把握するための医師の問診、診察
- 食事や生活に関するアドバイスなどの保健指導
- 血圧測定、尿検査、体重測定
- 血液検査
血液型検査、不規則抗体検査…出産時に多量に出血して輸血が必要な場合に備えるために行います。
血算…貧血や免疫力、出血のしやすさを確認します。
血糖検査…妊娠糖尿病かどうかを診断します。
感染症検査…B型肝炎抗原、C型肝炎抗体、HIV抗体、梅毒血清反応、風疹ウイルス抗体、HTLV-1抗体検査などで、母体から赤ちゃんに感染するのを防ぐために行います。
周期ごとの健診回数
母児の健康状態や胎児の成長は1週間でも大きく変わる場合もあります。そのため、妊娠中は週ごとに細かく周期を分けています。
受診の間隔は出産が近くなるにつれて頻繁となり、計14回程度の健診を行うことが推奨されています。
※予定日はあくまでも目安となります。妊娠初期の胎児の大きさで予定日を確定するため、最終月経開始日から算出した予定日と、医師から告げられる予定日が異なる場合もあります。
- 妊娠12週〜23週…4週間に1回
- 妊娠24週〜35週…2週間に1回
周期ごとの健診内容と費用
- 初回健診
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- 尿検査
ご自宅で妊娠検査薬を既に使用した場合は、省略されることもあります。 - 内診と超音波検査(エコー)
超音波を送受信する細いプローブ(直径2㎝)を腟内に挿入して、内部を画像で映します。
初回の健診では、妊娠しているかどうかの判定のための検査を行います。妊娠したと気づいたら、早めに受診しましょう。
- 尿検査
- 妊娠初期〜23週(1回/4週 計4回)
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- 基本検査
- 子宮頸がん検診(子宮頸部細胞診)
初期の頃に行います。万が一子宮頸がんを発見した場合、がんの進行具合によって「妊娠をそのまま継続するか、がんの治療を優先するか」の判断が必要になります。 - 性器クラミジア
母体から赤ちゃんへの感染を防ぐために行います。 - 経腹エコー(エコーのみ2回/4週)
お腹の上からプローブをあてて、赤ちゃんが正常に育っているかどうか、羊水量や胎盤や臍帯(へその緒)の位置など、子宮内の様子を調べます。
プローブからの超音波が伝わりやすくするため、専用のゼリーを塗って検査します。
妊娠11週までは、まだ流産のリスクが高いため1〜2週間に1回の健診をすすめられる場合もあります。
- 妊娠24〜34週(1回/2週 計6回)
- 基本検査
- B群溶血性レンサ球菌(GBS)検査
腟を綿棒でぬぐい、採取した分泌物を培養検査します。GBSは母体自体には影響ありません。母体から赤ちゃんへの細菌感染を防ぐために行います。 - 経腹エコー
妊娠24週を過ぎた頃には、赤ちゃんの顔立ちもはっきりとしてきます。 - 検診費用
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初診料 ¥2,000 再診料 ¥1,000 妊婦健診(基本検査) ¥2,000
この時期は健診回数が増えます。母体が出産に備えて変化していないか、胎児に変化がないかをこまめに見ることで、早産にならないようにチェックするためです。また、妊娠糖尿病が疑われるお母様はこの期間に糖負荷試験を受ける場合もあります。